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杜鵑(ホトトギス) NEWS

第43号(2003.09.01)

第8回「しがらき駅前陶器市」

毎年、春と秋に行われている『しがらき駅前陶器市』が、地域の活性化を目指し、地場産品及び特産品等の展示即売・実演販売を行い、地域産業の振興を図ることを目的として、今回も盛大に開催されます。

◇◆第8回「しがらき駅前陶器市」◆◇

<期間>
平成15年10月11日(土)~10月13日(祝)《3日間》
午前9:00~午後5:00

<会場>
信楽駅前広場

<内容>
●大蔵だし市《期間中》(陶器即売)
●食の市《期間中》(特産品即売)

<お問い合せ先>
「駅前陶商振興会事務局」
電話:0748-82-3391

茶粥(ちゃがゆ)

茶粥(ちゃがゆ)は、江戸時代から近畿地方を中心に、各地の農村で見られた最も親しみ多い食べ物です。

滋賀県でも、各地域で昔から日常的に食べられてきました。

水田の少ない地域や厳しい自然環境の山間地域などで茶粥(ちゃがゆ)が多く伝承されていることから、お米を大切にすることから広まった食であったともいわれます。

【材料】
・米2カップ
・番茶(または焙茶)30g
・水米の容積の7~8倍

【作り方】
1.木綿袋に番茶を入れてよく煎じて出す。
2.米を洗って、煎じ出した熱い番茶を注ぎ、ふたをして強火にかける。
3.沸騰したら、ふたを取り、少量の追い水をさし、ふきこぼれを防ぐ。(これを3回ほど繰り返す)強火のまま中身をしゃもじで大きく混ぜながら、ふきこぼさないように気をつけ、ふたをして、火を弱めにしてしばらく蒸す。

(知って得するお茶百科)

第42号(2003.08.01)

「カテキン」パワー!

お茶の葉にすぐれた薬理効果のあることは、古くから知られていました。

なかでも緑茶には、現代人の健康を維持するために欠かせない、さまざまな成分が含まれており、それぞれにすぐれた薬理効果をもっています。

その効果の大部分は、緑茶に含まれるカテキンの働きによるものです。

カテキンは、元来、緑茶の渋味を演出する成分とされてきました。

ところが、ここ10年ほどの間にさまざまな研究がなされ、新たな薬理作用が明らかになってきました。

カテキンは、ヒトの体内でもその効果を大いに発揮します。がんや動脈硬化など、いわゆる生活習慣病は、体内における「活性酸素」の強すぎる働きが元凶といわれています。

この活性酸素の働きをブロックする成分として、最近注目を集めているのが、カテキンというわけです。

このようなカテキンの作用の究明につれ、緑茶は、気になる生活習慣病や老化の予防に効果的な飲み物としてみなおされてきているのです。

◆カテキンの薬理効果
 ・細胞組織の酸化を抑える抗酸化作用
 ・細胞の突然変異を抑える抗変異作用
 ・がんの発症や転移の抑制作用
 ・抗菌作用

フジテレビ系の人気番組「発掘!あるある大事典」でも、カテキンの効果として、従来の抗酸化作用に加えて、脳の老化予防にも有効とか。

日本茶のカテキンが一番効果があり、日本茶を2時間おきに一杯飲む事が一番効果的な飲み方として紹介されました。

(「発掘!あるある大事典」)

お茶のリサイクル

【茶葉・茶殻を使う】

古くなってしまった番茶や茶缶の下に残ってしまったお茶は、色々と利用できます。

また、お茶を飲んだ後の茶殻にも消臭・抗菌作用があるといわれていますので、有効利用しましょう。

●うがい用に
濃く出したお茶の取り置きでうがいをすると、カテキンの殺菌作用で風邪の予防になるといわれています。

●水虫対策に
洗面器などに濃く出したお茶を入れ、10分ほど足をつけます。

●部屋の臭い消しに
火にかけたフライパンに茶葉を入れていぶし、部屋中に煙を廻します。2~3時間もすると臭いが取れます。

●古いお茶などはほうじ茶に
家に残ったままの古いお茶や変質したお茶などは、火入れして焙(ほう)じると香ばしい匂いのするほうじ茶に生まれ変わります。家庭内でもフライパンを利用して簡単に作ることができます。170℃程度の温度で、7分程ほうじて、香ばしい匂いが生じ、狐色になれば仕上がりです。

●お部屋の掃き掃除に
湿った茶殻を畳の上にまいてほうきで掃くと、ほこりも一緒に茶殻が吸い寄せ、畳の目に入り込んだ小さなゴミ・ほこりもとれます。

●植物の栄養に
水気を切った茶殻を植木鉢やプランターなどの植物のまわりに振りかけ、軽く混ぜておく。茶殻には植物の栄養になる成分がたくさん含まれています。

●緑茶風呂
茶殻をガーゼ等に適量包んでお風呂に入れ、そのまま入浴します。包んだ茶殻で体をマッサージするのもよいでしょう。緑茶風呂は、水虫・アトピー・湿疹等の皮膚の病気には効果があるといわれています。さわやかな香りと、お茶の効果を体験してみてください。

●冷蔵庫や靴箱の脱臭に
冷蔵庫の脱臭には、ふたを取った広口びんやメッシュの小袋に乾燥させた茶殻を入れ、隅に置いておきます。靴箱には使い古しの靴下に入れて靴の中に入れておきます。1週間程度で取り替えましょう。

(知って得するお茶百科)

第41号(2003.07.01)

しがらき昔ばなし「関の小万の牢破り」

昔、関のあたりを寝ぐらにして、街道筋の宿場を荒し回る、一人の女賊がおりました。

年のころは24か5、小股の切れあがった、肌の透きとおるほど美しい、小意気な美人で通称「関の小万」と異名をとり、街道筋でも大変評判になっていました。

あるとき、関の宿場の枕さがしが露顕して、地回りの役人に召し捕らえられ、多羅尾の牢屋に入れられていました。

夏も盛りのある日のこと、小万はいつもやさしくしてくれる牢番に、色っぽく、媚をふくめた流し目で「お役人様、今日はとても暑くて、どうにも辛抱ができません。どうか行水をつかわせてください、一生恩にきます。」とくどかんばかりに頼み込みました。

牢番は、小万の評判高い美しい肌を見るのは、このときとばかり、仲間の小役人たちと示し合わせて、上役には内密にして、行水をつかわせることにしました。

そこで、さっそく牢の裏庭に盥(たらい)を持ち出し、湯をいっぱい入れ、人目につかぬようにこっそり小万を牢屋から出してやりました。

小万は恥ずかしそうに、「皆さんが見ていてはイヤヨ」とすねて見せ、小役人たちを詰所の中に押しやり、外から突っ張り棒をして、パッと衣服を脱ぎ捨てるやいなや、丸裸になり立膝立てて、盥(たらい)につかり汗を流し始めました。

小役人たちは窓の障子に、指先で穴をあけ、小万の美しい肌をためいきつきながら、ただ茫然と見入っていました。

小万はにっこりほくそ笑み、ころはよしと突然ガバッと立ち上がるやいなや、着物を片手につかみ、丸裸のまま脱兎の如く一目散に逃げ出しました。

驚いた役人たちは、やっとのことで突っ張り棒をはずし、後を追いかけましたが姿は見えず、雲に入ったか霞に消えたか、皆目行方知れずになってしまいました。

後になって、村人たちは小万はあのとき、飯道山に逃げ込んだのだと、見て来たように噂話に花を咲かせていました。

小役人たちは、残らずお役御免になり、浪人したことはもちろんのことであります。

関には、もう一人有名な小万がおりました。この娘はお武家の出で、親のかたきを討つため、若い身空で毎日遠い山道をただ一人で亀山城下まで通い、剣道の修行に励み、遂にめでたく親のかたきを討ちました。

これは、美談として今も歌に残っています。

お茶の上手な保存法

お茶は吸湿性が強く、水分を多く含んでしまうと変質し、お茶に含まれるビタミンCなどの成分も減ってしまいます。

温度・湿度・光線によっても変質しやすいため、買ってからは冷蔵庫で保管するようにしましょう。

冷蔵庫に入れる場合も、他の食品の臭いがつかないよう、茶缶に入れ臭いの強い食品とは分けて入れるようにしてください。

また、冷蔵庫から出す時、急な温度の変化で容器の表面に水滴がつきます。すぐに開封すると変質が早まるため、水分を拭き取ってから、常温になるまでまって開封するようにしましょう。

(知って得するお茶百科)

第40号(2003.06.01)

しがらき昔ばなし「龍泉寺谷の磨崖佛」

今は墓の谷と呼んで、共同墓地になっていますが、昔はこの谷の奥に龍泉寺という名刹がありましたので、字名は正しくは龍泉寺谷と申します。

この龍泉寺は何宗派で、どの程度の規模のものであったかは、現在まで何も遺跡らしきものが発見されていないので、詳しいことは判っていません。

しかし歴史上では、応仁の乱のとき、足利義視が京を脱出、伊勢の畠山教具を頼って逃れ行くとき、信楽の豪族多羅尾光利父子の疵護を受け、龍泉寺に泊まっています。

そして、翌年京都に帰るときも暫くここに潜在して、都の様子を窺っています。

また文明6年、江州柏木に京の戦乱を避けていた、大納言飛鳥井雅康も奈良春日神社に参詣の途中、この龍泉寺に寄泊しています。

以上の史実から見ましても、龍泉寺は相当立派な寺で、格式も高いものであったことがうかがわれます。

この龍泉寺谷を登って行きますと左手に、大きな岩がそそり立っていて、立派な石仏が刻まれていました。

村人たちは、その昔、太閤秀吉が大坂城を築くとき、全国に人を派して、岩を見て回らせ、石垣に供出させたので、これを防ぐために、大きな岩には皆仏像を刻んだのだと語り伝えています。

この石仏を刻んだ大岩が、おしいことに明治の初め、小学校を建築するとき、建物の土台石として切りとられました。

そのとき、この岩を切って土台石を作った石屋は、その後仕事で大怪我をしてなくなり、続いてその身内の者も次々と事故でなくなり、遂に一家が絶えてしまいました。

村人たちは、石仏のたたりでないかと噂しています。この辺を掘りますと、今でも石の五輪塔や地蔵などたくさん出てきます。

お茶のおいしい入れ方

お茶は、その種類によって入れ方が少しずつ異なります。おいしいお茶の入れ方をご紹介しましょう。

なお、お茶を入れたら最後の一滴までしぼりきりましょう。すると、2煎目もおいしくお茶を味わうことができます。

【煎茶】
先に、茶碗にお湯を8分目ほど入れて冷まします。上級品の場合、葉の量は3人分で6g(大さじ軽く2杯)、湯の温度は70度、湯の量は180ml。並級品だと、葉の量は5人分で10g(大さじ2杯)、湯の温度は90度、湯の量は450ml。次に冷ましたお湯を急須に入れ、上級品で2分、並級品で1分くらいおいてから茶碗に注ぎます。

【玉露】
まず、湯冷ましにお湯を入れて冷まします。急須に入れ替え玉露用の茶碗に7分目(約20ml)入れます。湯の温度は50度、葉の量は3人分で10g(大さじ2杯)、それに対して湯の量は60ml。2分半ほど待って回しつぎます。

【番茶・焙じ茶】
5人分で15g(大さじ3杯)の葉を急須に入れ、そこに650mlの熱湯を注ぎます。30秒ほどおいてから回しつぎます。

【抹茶】
熱湯で温めておいた茶碗に約2gの抹茶を入れ、沸騰したお湯を35~50ml注いで茶筅で泡立てます。湯の量は、茶碗の5分の1程度が適当です。

【水出し煎茶】
暑い時期にふさわしい飲み物です。水出し用煎茶ティ-パックを冷水ポットに入れます。水量1リットルにつき、葉の量は約10g。10~15分ほどしたらトングなどでティ-パックをしぼり、取り除きます。

(緑茶の驚くべき効用)

第39号(2003.05.01)

しがらき昔ばなし「天狗にさらわれた万蔵」

昔、万蔵という人が多羅尾さんの御用で伊勢の国に使いに行きましたが、何日経っても帰って来ません。

村の人たちが手分けをして、あちらこちら心当たりのところを探しましたが、どこにいったのか、さっぱりわかりません。

そこで、お不動さんへ行って、文九郎と興左衛門という二人の修験行者に頼みました。二人の行者は、さっそくにお不動さんに祈祷をしてくれました。

しばらくすると、二人の行者の耳もとに「ゴーン」という音がして、心を静めて聞きますとお不動さんの声が聞こえて「願いの者は、これより東の方にある神社の木の上にいる」というお告げが耳にうつされました。

村の人たちは、さっそくに東の方角を目指して、探しにでかけましたところ、しばらくしてたどりついた鎮守の森の杉の木の枝に、万蔵が着ていた着物がひっかかっていましたが、万蔵の姿はどこにも見当たりませんでした。

村の人たちは、「万蔵はきっと天狗にさらわれたのだ」と話していました。

お茶はビタミンの宝庫

お茶にはビタミン類が豊富に含まれます。ビタミンAそのものはありませんが、体内に入るとビタミンAと同じ働きをするカロチンがニンジンの10倍近くも入っています。

ビタミンCは、特に豊富でホウレン草の3倍近くも含まれます。しかも嬉しいことに、通常なら熱に弱いビタミンCが、お茶に限っては熱い湯で入れても大丈夫であることです。

それは、お茶の葉を摘み取った直後に加熱処理する際ビタミンCを破壊する酵素がかなり失われてしまうことによります。また、老化防止に効果のあるビタミンEも多く含まれています。

この他には、ビタミンB群もお茶にはたくさん含まれます。皮膚病の予防に役立つナイアシン、心臓・消化器系・神経系の機能を正常に保つビタミンB1、老化の原因物質である過酸化脂質の働きを抑えるビタミンB2、貧血の予防に効果のある葉酸などが入っています。

ただし、ここで知っておかなければならないのは、ビタミン類の中には浸出液の中に成分が溶け出さないものがあることです。

ビタミンB群やビタミンCは水溶性なので大丈夫ですが、ビタミンA(カロチン)やビタミンEは脂溶性であるため栄養が茶殻にそのまま残ってしまいます。

せっかくの素晴らしい成分なのですから、これでは残念でなりません。「食べるお茶」に注目が集まるのも実はこの点にあるのです。

(緑茶の驚くべき効用)

第38号(2003.04.01)

摘みたて直送便「新茶」

ひと芽ひと芽に心をこめて、
萌える若葉をあなたのもとに・・・・・。

新茶が届くこと、それは季節が届くこと。
心に、味覚にしみわたる、緑したたる旬のお茶。

ゆっくりと新茶をいれて味わう
ゆったりと自分と語り合うひととき・・・・・。

この季節だからこその旬の味と香りをお届けいたします。

只今『山本園』では、初摘み「新茶」のご予約を承っております。

第7回「しがらき駅前陶器市」

毎年、春と秋に行われている『しがらき駅前陶器市』が、今年も盛大に開催されます。

今年は、「しがらき狸の阿波踊り」があり、楽しみも倍増します。

川あそび 水あそび 孫とあそべる 陶器市
◇◆第7回「しがらき駅前陶器市」◆◇
<期間>
平成15年4月26日(土)~5月5日(祝)
≪ゴールデンウィーク中の10日間≫
午前9:00~午後5:00

<会場>
信楽駅前広場

<内容>
●狸DE阿波踊り≪4月27日・5月3日≫
(しがらき狸の阿波踊り)
●大蔵だし市≪期間中≫(陶器即売)
●食の市≪期間中≫(特産品即売)

<お問い合わせ先>
「駅前陶商振興会事務局」電話:0748-82-3391

第37号(2003.03.01)

第50回信楽陶器まつり

昨年(平成14年)から、信楽の夏の風物詩「しがらき陶器まつりは、1年を通したまつり『陶都しがらき三大まつり』として生まれ変わりました。

春(4月)に陶器の即売を中心とした「陶器まつり」と、夏(7月)には火に感謝する「火まつり」、そして秋(10月)には陶器の展示を中心にした「土まつり」が開催されます。

◇◆第50回信楽陶器まつり◆◇
期間:平成15年4月4日(金)・5日(土)・6日(日)の3日間
会場:信楽駅前通り一帯、信楽伝統産業会館
内容:陶器即売、特産品即売
目的:産業振興

◇◆しがらき火まつり◆◇【予定】
期間:平成15年7月26日(土)
会場:信楽町役場西側駐車場~愛宕山・陶器神社周辺
内容:松明(たいまつ)奉納、花火奉納、各種表彰
目的:観光振興、火に対する感謝祭

◇◆しがらき土まつり◆◇【予定】
期間:平成15年10月11日(土)・12日(日)・13日(祝)の3日間
会場:滋賀県立陶芸の森
内容:信楽陶器総合展、セラミックアートマーケット
目的:土の芸術(陶芸・農産物)振興

●お問い合せ先
「陶都しがらき三大まつり」実行委員会事務局(信楽伝統産業会館内信楽町商工会)
電話:0748-82-0873・82-2345

お茶の豊富な食物繊維

ビタミンの中にも、水に溶け出すものとそうでないものとがあるように、お茶に含まれる他の成分もそのどちらかに分かれます。

つまり、水溶性のものならお茶を飲んだ時にその栄養を取ることができても、不溶性のものなら飲んだだけでは栄養は摂取されないことになるわけです。

水に溶け出す成分、つまり飲むことによって得られる成分は、カテキン・カフェイン・ビタミンC・ギャバ・テアニン・サポニン・ミネラル・水溶性食物繊維・ビタミンPなどです。

一方溶け出さない成分、つまり飲むだけでは得られない成分は、食物繊維・カロチン・ビタミンE・タンパク質・クロロフィルなどです。

後者は、どれも現代人には欠かせない貴重なものばかりです。とりわけ、食物繊維はお茶全体の12%も含まれますから、これが茶殻に残ったまま捨てられてはもったいなさすぎます。

ところが、お茶を食べれば話は違ってきます。こういうと珍しいことのように聞こえるかもしれませんが、昔はそうでしたし、現在でも抹茶は葉を粉にしたものですから、私たちはお茶を食べているわけです。

料理に一工夫さえすればお茶は十分食べられます。そうすれば、お茶の持つ豊富な食物繊維をそのまま摂取できるのです。もちろん、他の水に溶けない成分もすべて取ることができます。

※詳しくは、ホームページ【お茶のはなし】お茶がら活用法をご覧ください。

(緑茶の驚くべき効用)

第36号(2003.02.01)

しがらき昔ばなし「脇の谷の古狐」

昔、脇の谷の奥に、さる御家中の屋敷がありました。

お出入の人たちが、用事をすませて、その晩御馳走になり、夜おそくなりますと、帰るとき必ず、美しいお女中が堤燈(ちょうちん)を貸してくれます。

一ぱい機嫌で、堤燈(ちょうちん)をさげて、脇の谷の入口まで来ますと、風もないのにすっと、堤燈(ちょうちん)の火が消えます。堤燈(ちょうちん)の中に手を入れてみますと、蝋燭(ろうそく)がなくなっています。

「また盗りやがったな、この古狐め」とどなりながら、屋敷へ戻って来て、美しいお女中から、新しい蝋燭(ろうそく)に火をつけてもらって、帰って行きます。

人によっては、二度も三度も盗まれたと言って、戻って来ることもあります。

この噂がいつの間にか村中に広がり、若衆たちは面白がって、蝋燭(ろうそく)をたくさん堤燈(ちょうちん)の中に入れて、夜おそく脇の谷へ入って行きますが、一向に狐が現われません。

美しいお女中は、この様子をながめていて、一人でくすっと笑みを浮べていました。

お茶はもう飲むだけではない

お茶は飲むもの、そう考えている方が多いかと思います。

しかし過去を振り返っても、お茶は飲むだけのものではありませんでした。奈良時代から江戸時代前期まで、人々はお茶を丸ごと口にしていました。茶殻まですべて胃に入れていたのです。

確かに当時はお茶は貴重で、今のようにお湯を通しただけで茶殻を捨てるのはもったいなかったこともありますが、お茶が健康にいいという言い伝えから、茶殻も口にしていたことは容易に想像がつきます。

お茶は飲むだけでは、お茶の持つ成分を全部吸収できません。1煎目でせいぜいお湯に溶ける成分全体の60%、2煎目でも80%が限界です。どうしても、有効成分が茶殻に残ってしまいます。

さらにお茶には、水やお湯に溶け出さない成分も多いので、そのまま捨ててしまえば、少しも活用されないまま終わってしまいます。これでは、もったいなさすぎます。

お茶は、もう飲むだけのものではありません。他にももっといろいろな面で利用できます。

食べることもそうですし、さまざまな日用品にも使えます。こうすることで栄養価が高く、また効力にすぐれたお茶をあますところなく活用できます。

(緑茶の驚くべき効用)

第35号(2003.01.01)

しがらき昔ばなし「正月十日の大騒動」

明治元年正月十日の朝のこと、鳥羽伏見の戦といって、薩摩・長州・会津の三藩と徳川勢との間に大戦争がありました。

そのとき、幕府旗本の大軍勢が、伊勢の関から伊賀上野越えに大坂へ進軍しようとやって来ました。上野城の藤堂和泉守は本来徳川方でありましたが、勅命もだしがたく、この旗本勢に向かって大砲を発射しました。

旗本勢はこの攻撃をさけながら、急いで大坂の本陣へかけつけようと島ヶ原のあたりまで来ると、大坂はすでに落城し、会津の藩兵が大勢逃げて来るのに出会ってしまいました。

そこで一同は、信楽の多羅尾様は徳川の御代官であるから、あそこに逃れようと山を越えて信楽に上って来たのでありました。

ここで武装解除が行われて、刀など束ねて摘み上げられた数はおびただしいものであったといいます。

兵たちの数もおびただしいものであったので、多羅尾一村ではおさまらず、小川村にも小川出村にもあふれ出て来て、どこかしこの別なく焚き火をするやら、家の炉端にあがり込むやら、餅を焼けとか飯を炊けとか、この年の正月十日は、朝早くから大騒動となったので、今にいたるまで御維新前夜の一こまとして語り伝えているのです。

お茶をたくさん飲む人ほどガンになりにくい

現在、さまざまな研究によってお茶に素晴らしい薬効のあることが、次々に明らかになってきています。

その中で最近特に話題になったことは、埼玉県立がんセンターによる「お茶を飲む人ほどガンになりにくい」という疫学調査の結果です。

疫学調査とは地域や集団を対象として、病気や健康などの原因を統計的に明らかにする調査研究のことです。

埼玉県立がんセンターでは、埼玉県内のある町の住民約8,500人を対象にして8年間にわたって追跡調査を行いました。

すると実に興味深い結果が得られたのです。お茶をよく飲むかどうかで寿命にはっきりとした違いが現われました。

お茶を毎日3杯以下しか飲まない人(Aグループ)は、ガンによる平均死亡年齢が65.8歳であるのに対し、毎日4~9杯飲む人(Bグループ)は68.4歳、毎日10杯以上飲む人(Cグループ)にいたっては70.3歳と、よく飲む人ほど寿命が長くなっているのです。

では女性についてはどうでしょうか。Aグループの場合、平均死亡年齢は67.6歳、Bグループだと70.9歳、Cグループでは74.1歳と、やはり男性も同様、毎日お茶をよく飲む人ほど寿命がのびています。

また、血清を測定してみたところ、肝臓ガンや肺ガンを誘発する危険因子の血清フェリチンの値がAグループで最も高くなっていることもわかりました。

つまり、お茶には顕著なガン抑制効果があり、そのためお茶をよく飲む人ほどガンで死亡する時期が遅くなることがこの結果からわかったのです。

同様の疫学調査はこれまでにもあって、たとえば静岡県立短期大学では「お茶をよく飲む地域はガンの発生率が低い」と発表していますし、九州大学では「お茶をよく飲む地域ではあまり飲まない地域に比べて胃ガンの発生率が低い」という報告をしています。

いずれにしても、「お茶をよく飲んでいるとガンにかかりにくい」といっているのですが、埼玉県立がんセンターの先の発表はそれらの研究結果を裏付けるものといえます。

日にお茶を10杯以上飲む人は、ガンにかかりにくくなることがおおいに期待されます。

(緑茶の驚くべき効用)

第34号(2002.12.01)

しがらき昔ばなし「果ての二十日」

御斉峠(おとぎとうげ)の近くに小さな平地があって、そこに二基の石供養塔が建てられ、一基には「南無阿弥陀仏」、他の一基には「南無妙法蓮華経」と刻まれています。

ここは、江戸時代に代官所の仕置場があったところです。

そのころ、毎年十二月二十日が仕置きの日で、この日を村人たちは「果ての二十日」と呼んでいました。

牢屋から裸馬に乗せられた罪人の行列が通りますと、恐いもの見たさで、村の娘たちもこっそり行列の後ろからついて仕置場まで行き、物影に隠れておそるおそる見物しました。

そのとき、もしも罪人に見つけ出され「お前を俺の嫁に欲しい」といってからかわれでもしますと、その娘は一生嫁に貰い手がなくなるといわれていました。

お茶とグッズ

現在、お茶を使った新商品がいろいろと市場に登場しています。

お茶の持つ抗菌効果や消臭効果を利用したものが多いのですが、殺菌ストッキングを始めとして、ポロシャツや肌着、ソックスなどにも製造段階でお茶が使われています。

もちろん消臭剤にも、トイレットペーパーにも利用されています。これらは、お茶の成分を抽出して添加することでできた商品といえます。

また一般に知られていないところでは、油焼けや退色を防止する目的で、水産加工の際の酸化防止剤としても使用されています。

他には、虫歯予防のお菓子や口臭予防ガムに使われています。「サンフェノン入り」とか「ポリフェノン入り」と書かれたのがそれです。大人用には、他に抹茶をそのまま使ったガムもあります。

最近では、お茶が入浴剤としても利用されていて、若い女性の間で人気です。

また、エステサロンの中には超微粒茶を使ったエステを行っているところもあり評判をよんでいます。

(緑茶の驚くべき効用)

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