滋賀のええとこ「艶やかな紅葉 ― 永源寺」
「永源寺」
錦秋の季節、味わい豊かな果実が次々と収穫の時期を迎えます。
琵琶湖の美しい水と澄んだ空気が育んだ味は、濃厚な甘みでいっぱいです。
母なる湖を懐に山々に囲まれた近江は、麗しい四季の国です。
深まりゆく秋には、錦絵のように色づいた稜線が琵琶湖をぐるりと取り巻き、里山の古社寺にも黄葉紅葉の波が押し寄せます。
数ある近江の紅葉名所の中でも真っ先にその名が上がるのが、俗に湖東三山と呼ばれる百済寺(ひゃくさいじ)、金剛輪寺(こんごうりんじ)、西明寺(さいみょうじ)の秋景色で、深山の天台古刹の紅葉は、素晴らしいです。
さらに、三山と並び称されるのが湖東の名刹「永源寺(えいげんじ)」です。
「愛知川(えちがわ)を朱に染める」と形容されるほど鮮やかな全山の紅葉は、ため息ものの美しさです。
古代より歴史の十字路であり続けた近江の紅葉には、旅人を魅了する幾多のドラマが秘められているのです。